北朝鮮の人権運動は4月4日、重要な勝利を収めました。国連人権理事会(UNHRC)は決議を採択し、北朝鮮のきわめて劣悪な人権状況を監視し続けることとしました。
この決議は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に関する国連特別報告者のマンデートを更新するとともに、国連人権高等弁務官事務所に対して、2014年に国連調査委員会(COI)が画期的な報告書を発表して以来初となる包括的報告書を作成するよう求めています。今回の決議はまた、高等弁務官事務所のリソースを増やして北朝鮮の人権侵害に対する刑事責任(アカウンタビリティ)の追及に焦点を当てるとともに、北朝鮮の兵器開発計画と国際平和および安全保障、そして人権との関連性を強調する内容です。
この決議内容は北朝鮮に関する国連人権委員会決議としては2016年以降で最も野心的なものであり、世界有数の孤立・抑圧国家での深刻な人権侵害行為の被害者たちにとって絶大な重要性を持っています。3月28日の国連安全保障理事会でロシアが拒否権を発動して北朝鮮に関する専門家パネルを解散させたのとは対照的に、この決議はアカウンタビリティ(責任追及)の確保に向け、北朝鮮の人権状況に懸念を持つ国々のコミットメントを示すものです。
2014年のCOI報告書の発表は、北朝鮮での深刻な人権侵害に光を当てた画期的な出来事でした。国連人権高等弁務官事務所が2025年9月に公表することとなった新しい報告書は、COIの勧告を土台として、北朝鮮における人権侵害被害者たち、特に2011年12月の金正恩氏の権力掌握以降に苦しみを受けている人たちにとっての足がかりとなって、その苦しみを世界に広く知らしめるものとなるでしょう。北朝鮮の兵器開発と人権侵害とのつながりに光をあてることで、来るべき報告書は、各国政府に対し、安全保障への取り組みはその背後にある人権侵害と切っても切り離せないことを改めて認識させるものになるでしょう。
国連人権理事会の決議はとても大きな一歩です。しかし北朝鮮における人権侵害の被害者たちには国際機関からさらなる支援を受けるべきです。国連総会と安全保障理事会には、人権侵害行為と兵器拡散の関連性や人権侵害実行者の責任追及の必要性の検討などを通じて、北朝鮮に対する監視をいっそう強化することが求められています。